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かなり前から一度やってみたいと思っていたモディファイの一つに

【シム】を使ったネックのジョイント角の調整

がありました。

 

今回やっとメインのSuhr Dinkyにこのモディファイを施すことが出来ましたので、

そのレポート動画をアップいたしました。

是非動画も最後までご覧ください。

 

シムを使ってネックのジョイント角の調整!?

と言われてもギターの調整に詳しくない方は「???」だと思います。

まず以下の図をご覧ください。ギターを横からみた図です。

シム,スペーサー,ネック,ジョイント角,アングル,ボディー,モディファイ,改造,調整,弦高,トレモロユニット,アーム,フローティング

上の図はノーマルの状態です。

下の図と何が違うか見比べてみてください。

下の方は、ネックとボディーのジョイント部にシムを挟んで、ネックに角度をつけているんです。

そうです!!物凄く原始的ですよね。ただ厚みのある物をネックとボディーの間に挟んでいるだけなんです。

 

そんなことするとボディーとネックの間に隙間が多くなってしまわない!?

と思いますよね。

そうなんです。シムを挟むと隙間が増えるんです。

そんなの良いことなんて一つもないじゃない?と思いますよね。

 

でもギターのセッティングを追い込みたい時には非常に重要な作業になるんです。

 

どういう時、どうしたい時にこのシムを使ったジョイント角の調整を行うかですが、

ブリッジ側でユニットや各弦のコマを下げ切っているのに、弦高がまだ高い時などです。

その場合、ネックエンド付近にシムを挟んでやると、必然的にブリッジ位置がそのままでも

弦高は下がります。

シムの厚さを変えてやれば、弦高やブリッジのセッティングを追い込むことが出来ますよね。

 

で、私の場合は何がしたかったかと言うと、ブリッジ全体の位置を上げたかったんですよ。

シンクロトレモロの場合だと通常、ユニットとボディーの距離ってかなり近いんです。

その設定だと殆どの場合、低音弦側をパームミュートしながら弾きたい時、

物凄く右手が窮屈に感じるんです。ですから時々レスポールスタンダードなど弾かせてもらうと

ブリッジ位置が高いので、低音弦側でのピッキングのし易さに感動するんですよね。

 

ということで今回ブリッジ位置を上げる目的でシムでのネックジョイント角調整をしたのですが、

結果は非常に満足のいくものとなりました。

 

このネックとボディーの間に挟むシムですが、実は専用のパーツが販売されています。

ESPからは0.25mmと0.5mmのものが販売されております。
サウンドハウスでESPシムをチェックする!

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Stew Macからはジョイント部分全体に敷くタイプの角度付のスペーサーもあります。

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しかし、このStew Macのタイプは隙間は出来ないものの完全にオリジナルのネックとボディーは触れなくなるので、どうも個人的には抵抗があり、今回は見送りました。

 

で、ESPのシムを買おうと思ったのですが、結局自作したんです。

EMG SPCが入っていた紙箱で作りました(^^♪

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紙の厚さは約0.4mmでした。

ESPのシムのサイズを参考に少しシムがネックエンドに寄る様に

木ねじが通る穴の位置をずらしました。

あえてEMGのロゴが残る様に切り出しました(^^♪

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で、気になりますよね?

シムって紙で良いの!?て?

色々ネットで調べてみたのですが、材質による音質の変化は感じられないという記事が多くて

結局紙にしたんです。

実際以前所有していたJames Tylerのストラトモデルはタバコの箱で作ったシムが仕込まれていましたけど、物凄く良い音でしたからね・・・(^^♪

シムの材質はあまり関係ないと勝手に思っています。

 

ネックポケットにセットするとこんな感じです。

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セットし終えて、簡単にブリッジ位置をセッティングしたのですが、

何と!たった0.4mmのシムを仕込むだけで、ブリッジがこんなに高い位置になったんです。

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ボディーとベースプレートまでの間隔凄いことになってるの分かります?

 

でもこれで弾いてみると、めちゃくちゃ低音弦が弾き易くなってました。

これは大満足です。アームの使用感、安定度も問題ありません。

(最初からいきなり0.4mmとか0.5mmの厚さを使うのではなく

0.25mm辺りから始めるのが無難だと思います。)

 

ここで注意点なのですが、通常の6点止めのシンクロトレモロユニットだと

ブリッジ全体の高さを上げて安定させることはできません。

(GOTOHやWilkinsonなどの2支点タイプのユニットは問題ない場合が多いです。Wilkinson VSVGは無理です。)

もし、6点止めシンクロタイプで同じ様な調整がしてみたいとおっしゃる方は

溝が切られている(支点の位置を安定させる為のくぼみがある)ブリッジ固定用木ネジに

交換する必要があります。

そういったパーツも実はSCUDから販売されているんです。

気になる方はチェックしてみてください。
サウンドハウスでSCUD溝付木ねじをチェックする!

サウンドハウスでSCUD溝付木ねじをチェックする!

6点止めのシンクロタイプでもしっかりブリッジの高さ調整が出来るのが、

PRS(ポールリードスミス)のオリジナルトレモロユニットですね。

全ての木ねじにしっかりと支点がはまり込む溝が設けられております。

 

あと気になるのが音質の変化と弦の張り(テンション)の強さの変化だと思いますが、

これが本当に不思議なのですが、どちらも殆ど違いが分からなかったんです。

普通ここまでセッティングが変化すると弾いた瞬間に違いや変化が分かるのですが、

これはこのギター特有の特性だと思います。

普通は大きくキャラクターが変化すると思った方が良いと思います。

 

私自身はかなり前からタイトに正確に精巧に加工されたギターの方が良い音がする!

という一般的な意見に疑念を抱いております。

それは各部ルーズに作られたギターの中にも素晴らしい音が出るものが沢山あるからです。

勿論良い音とは何か?ということに正解はないのですが、

個人的には正確に作られているかどうかは、そんなに重要視することはないです。

特にヴィンテージ寄りなローファイなサウンドが好みの場合は、

ある程度のルーズさというのは大きなポイントになるかもしれません。

実際メインのSuhrのネックジョイント部は隙間だらけですよ。

まぁヴィンテージっぽい音では全然ないのですけれど、凄く心地よい素朴な鳴りをしてくれる瞬間があるんです。

 

これは関係ないですが、フェンダーにはこのネックジョイント角を調整できる

マイクロティルト機構が搭載されているモデルがありますよね。

以下がそれです。

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これは74年製ストラトの画像ですが、赤丸の中に太めのイモネジが見えますが、

このイモネジをボディー裏から六角レンチで回すことで、ネック角を変化させることが可能なんです。

フェンダーには4点止めのモデルにも搭載されてい場合があります。

このストラトの場合はネックとボディーを密着させた状態できちんとセッティングを追い込めているので、この機構は使っておりませんが、便利な機構だと思います。

 

恐らく上手く調整してやればデッドポイント(特定のフレットだけサスティーンが短いなどの現象のこと)の位置をずらしてやったりも出来ると思います。

 

ということで今回はシムを使ったネックジョイント角調整の事について解説してみました。

是非動画の方もあわせてご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=aukAd0bb1f8

今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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