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昨日アップした動画で弾いておりました

一見レスポールの「フルアコ」のご紹介です。

 

そもそも皆さん、セミアコ、セミホロー、フルアコの違いはご存知でしょうか?

フルアコはアコギの様にボディー内がほぼ全て空洞になっている構造のギターの事で、

セミアコと呼ばれるモデルの殆どはネックからの延長で、ボディーエンドまでボディー中央付近に木のブロックが入っています。

そしてセミホローは、ボディー内部の一部だけをくり抜いた仕様の場合に良く使われます。

 

一般的にはボディー内部の空洞体積が大きい程、アンプで鳴らした場合、ハウンリングが起こり易い為、

ディストーションサウンドで弾きたい場合はフルアコは避けます。

 

さて、今回仲間入りしましたギターですが、

Eastman(イーストマン)というメーカーのAR-150というモデルです。

Eastman AR-150 フルアコ

 

Eastmanというブランドはバイオリンや管楽器なども製作しており、ギターに関してはソリッドタイプの物も製作しておりますが、どちらかというと、高品質を保ちつつもリーズナブルなフルアコを製作しているというイメージです。

当方も以前からレスポールサイズのフルアコをこのメーカーが製作している事は知っておりましたが、それは以下の1ピックアップ仕様の物だけでした。

(※Player誌データより)

Eastman AR-150 フルアコ

 

しかし当方のモデルは2ピックアップ仕様なのです。これが購入の決め手となりました。

当方の場合は本格的なジャズギターを!という事ではありませんでしたので、

ちょっとクランチ系サウンドでブルースっぽい事も!という感じなら仕様的には正にドンピシャ!ですよね。

 

ネットで検索してみても、Fホール無しの物はありましたが、全く同じ仕様のモデルは出て来ませんでしたので、恐らく単発的に製作・販売されたモデルかと思われます。

ただ、ディーラーの「トーラスコーポレーション」の保証書が付いておりましたので、モディファイされたモデルではなくきちんとメーカーの企画で製造されたギターの様です。

とにかく、この機会を逃すともう二度と入手できないと思いましたので、思い切って購入した次第です。

 

さて、細部を見て行きましょう。

まず表面板ですが、スプルースです!スプルースのエレキギターを所有するのは初めてでしたので、それだけでもワクワクしました。

(ちなみにスプルースは松です。)

Eastman AR-150 フルアコ

Eastman AR-150 フルアコ

Eastman AR-150 フルアコ

 

 

で、スペック表にはボディートップ材:Hand-Carved Solid Spruce と書かれておりますので、

合板をプレス加工した仕様ではありません。

単板から削り出して曲面を出しているんですね。贅沢な仕様です。

Eastman AR-150 フルアコ

本格派のフルアコなら削り出しよりも合板プレスだと思いますが、

このサイズ感と単板削り出しの組み合わせがこれまたくすぐられるポイントですね。

 

表面板は3~4ミリ程度の厚さしか無い為、生で弾いた時の鳴りが想像以上の音量です。

これが5ミリならセミアコ寄りになってしまうでしょうし、合板なら軽い鳴りになり過ぎるだろうし・・・

この鳴りの絶妙感はかなり気に入りました。

Eastman AR-150 フルアコ

 

 

ボディーサイド、バックはメイプル材です。バックもトップ同様単板削り出しです。

バインディングもメイプルですが、控え目ながら全てフィギュアドメイプルの木目が出ております。

Eastman AR-150 フルアコ

Eastman AR-150 フルアコ

 

 

ピックガード、ブリッジ、テールピースは全てエボニー(黒檀)です。

Eastman AR-150 フルアコ

 

Eastman AR-150 フルアコ

 

別のテールピースを付けていた形跡がありますね。

Eastman AR-150 フルアコ

 

 

指板もエボニーです。

フレットの処理は正直甘めですね。フレットはいつか打ち替えたいです。

Eastman AR-150 フルアコ

 

ネックはエンドまでボディーに密着しております。

Eastman AR-150 フルアコ

Eastman AR-150 フルアコ

 

ヘッドはシンプルなデザインです。

Eastman AR-150 フルアコ

Eastman AR-150 フルアコ

 

 

ネックはマホガニー材です。

Eastman AR-150 フルアコ

 

この無理矢理配置した2Vol、2Toneが何とも愛くるしいですね。

この部分にもかなりそそられました。

Eastman AR-150 フルアコ

 

 

Eastman AR-150 フルアコ

ボディー内のデカールには製造国の記載はないのですが、ネットでホームページを確認してみますと

このEastmanの創設者が中国の方で、製造過程の動画では中国語がバックで聞こえておりましたので、

恐らく中国製なのだと思います。

 

メーカーホームページ内に記載されているプライスリストを確認すると、

AR-150はJapan Model となっており、実勢価格28万円(税抜)と書かれておりました。

 

この製作の手間を考えますと、この価格も高くはないと思いますが、

フレットの処理などを考えますと、上質さという点では少し不満が残るところです。

まぁ今回のギターはUSEDでしたので、もっと安価で購入できましたが、、、

 

さて、ここからは実際に弾いてのインプレッションですが、

まず言えるのが、

「ソリッドギターでは絶対に出せない甘い音が出る!」

という事です。

もうこれだけで購入した価値がありますよね。

張られている弦は3弦も巻き弦ですので、単純に他のソリッドボディーのギターと比べる事は出来ませんが、低音弦の音の膨らみ方などはソリッドギターでは到底再現出来ないという事は2,3音弾けば分かります。

(弦のゲージは12-52辺りだと思います。)

 

それならアコギでも・・・と思う方も多いと思いますが、

アコギ程きらびやかでフラットな音質ではありません。

もっと芯のしっかりしたサウンドで、ピッキングの強弱などにしっかりと反応してくれます。

(基本的にアコギのサウンドが苦手なので、こんな表現になります。ご了承ください。)

指弾きでもシャリーン!と軽やかには鳴りませんので、どっしりとした単音弾きが可能です。

 

ピュアニッケルなどで3弦もプレーン弦のセットを張ってみるのも面白いかもしれません。

弦の太さも含め色々な素材の弦を試してみたくなる、という楽しみがありますね。

チョーキングが楽に出来るゲージまで落としても面白いでしょう。

 

ピックアップのサウンドはどちらもパワー控え目ですが、

ソリッドボディーのギターでもこのくらいのパワーで良いのに・・・と思ってしまいます。

 

リアピックアップを選んで歪ませてみましたが、このサウンドはかなり楽しいです。

フルアコの構造が影響して、唸る様な鳴りをします。

これまた弦の種類で大きく変化するでしょう・・・

いつかまた動画でディストーションサウンドも使ってみたいと思います。

 

全体的に感じる事は、とにかく見た目やサイズ感からイメージしていたより何倍もしっかりとした鳴りをするという事です。

当初、見た目だけのイメージで、軽い事だけが取り柄で鳴り自体は薄ぺらでチープなサウンドだろうと思っていたものですから実際に弾いた時は正直驚きました。

 

トップ、バック共合板ではなく単板とした事がこの高印象に貢献していると思います。

バカ鳴りではなく、しっかりと振動を受け止めるだけの剛性感を感じる鳴りなのです。

 

ナット幅は43ミリ強。この設定も良いですね。ローポジションでの窮屈さは皆無です。

ネックグリップ形状はクセの無いUシェイプで、ややスリムな印象です。

 

で、気になる重量ですが、約2.2kg (@_@)です。

恐らく腰痛が酷い時はこればかり弾いてしまうでしょう(笑)

 

今回はタイプの違うギターを選ぶ事がテーマでしたので、

実際の購入時には少しの勇気が必要でしたが、結果かなり良い出逢いだったと思います。

何かこれまでとは違う弾き方を色々してみたいとも思えますし、楽しみを増やしてくれるギターです。

 

今後アップする動画でも時折登場すると思いますので、実際のサウンドはそちらでご確認ください。

 

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